【講演実績】一人ひとりに寄り添った学習支援:アスポート活動事例

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はじめに

平成25年度「生活保護担当ケースワーカー全国研修会」(厚生労働省 社会・援護局保護課主催)にて、講師を務めさせていただきました。その際の講演内容について、記録として掲載いたします。

 

一人ひとりに寄り添った学習支援

活気のなかにも落ち着いた学習環境

学習教室の会場は、特別養護老人ホームの食堂や会議室をお借りし、大きな机を囲むようにして学習します。

休憩時間は、子どもとボランティアのにぎやかな笑い声や和気あいあいとした和やかな雰囲気ですが、学習時間になると比較的落ち着いて学習に取り組んでいます。時折、子ども同士のトラブルで大騒ぎになり、支援員はその対応に追われることもあります。しかし、基本的に教室から聞こえてくる声は、質問や相談をする子どもたちの声、それを受け止め熱心に対応する大人たちの声です。

とはいえ、本当にさまざまな子どもたちが一堂に集まるので、学習教室の運営を担当する支援員の苦労は並大抵ではありません。限られた場所、時間、人員の中でより質の高い学習環境を整えるにはどうしたらよいか、細かな配慮がなされています。

例えば、勉強が苦手な子どもにとっては、隣の子どもにどこの勉強をしているのかを見られてしまうのはとても恥ずかしいことです。ですので、なるべく子どもと子どもの間に大人を挟んで席を配置したり、学力の近い子ども同士を同じ机にするなどの工夫をしています。また、どうしても学習に集中できない子どもがいれば、気持ちが落ち着くまで個別に相談に乗ったり、絵を描いたりと好きなことだけさせることもあります。

このように、限られた一つの部屋のなかでも気配りや工夫をし、子どもたちのちょっとした表情や言動の変化をとらえ、臨機応変に対応することで、教室内の雰囲気を改善したり、学習への集中の度合いも高めることができます。

一回あたりの生徒の数は、時間や地域によっても異なりますが、多い時で20人くらい、入試直前になると40人くらいになります。ボランティアと支援員の数を合わせると1回あたり60人くらいの人数が集まる日もありますので、机やいすが足りなくなるなどのトラブルもあり、うれしい悲鳴でもあります。

高校入試対策

高校入試対策としては、数学の基礎計算問題を徹底的に繰り返し練習をします。数学は、苦手意識をもちやすい教科ですが、入試では最も点数を取りやすい教科なのです。例えば、埼玉県の公立高校入試問題の場合、毎年6問は必ず基礎計算問題が出題されます。1問あたり4点、4×6で24点を確実に正解できるように練習をします。問題に慣れてくると、支援員から出題する小テストでは、次第に24点満点をとれるようになり、それが自信へとつながります。また、面接対策も重要です。特に、面接重視の高校を受験する子ども、勉強が苦手な子ども、不登校の子どもを中心に、本番でもきちんと大きな声で、自分の言葉で話せるように練習します。

しかし、そもそも高校入試に関する情報をほとんど知らない保護者も多いのです。例えば、保護者と担任の関係がよくなかったり、保護者が外国籍で日本語が理解できていない家庭等にありがちなことです。

私たちとしては、志望校の高校説明会には足を運んで欲しいと思っていますが、子どもたちはなかなか行こうとしません。それは、親が病気だったり、仕事で忙しかったりして、付き添うことができないからです。そのような時は、私たち支援員が保護者の代理として高校説明会への同行や入学願書の出願手続きに付き添うなどして、どうにか子どもたちが高校受験の土俵に上がれるようにとサポートしています。

 

高校中退を防止するために

今年から高校生支援が始まりました。高校中退を防止するためのアプローチとして、2つのことを子どもたちに呼び掛けています。

一つは、「出席日数を守る」ことです。例えば、ふだん真面目に通学していても進学できないケースがあります。そのような場合は、もしかしたら保健体育の単位を落としているのかもしれません。保健体育のように週に1回しかない科目は要注意です。例えば、保健体育が月曜日の1時間目にある場合はどうでしょう。月曜日の朝は何となく学校に行く気も起きず「1時間目はサボって、2時間目から行こうかな」と思いがちです。ところが、それを1年に7回欠席してしまうと、残念ながら単位を修得することはできません。そのため、「月曜日の朝はちゃんと学校に行くこと」、「保健体育は絶対に落とさないこと」を特に注意して子どもたちに呼びかけています。

二つめは、「赤点を取らないこと」です。中学生の学習教室に通っていた子どもたちはある程度学力がついているので、高校1年生の1学期頃なら「授業についていけない」という悩みはそう多くありません。しかし、2学期に入れば授業内容も難しくなってきます。アルバイトや部活動、学校行事の準備等で、学習以外のことに熱が入りやすい時期ですが、せめて定期試験前は学習教室に通うように呼びかけています。

高校生の学習教室は、元高校教師などの学習専門員が先生役となります。試験に出やすいポイントなどを的確に指導してくださるので、赤点を取らないラインにはいけるのではないでしょうか。

不登校の生徒

不登校の子どもたちは、なかなか外に出ることができませんので、急に学習教室に誘ってもそこで関係が崩れてしまう可能性が非常に高いです。ですので、焦らず一人ひとりにじっくり向き合った訪問活動をしていきます。

子どもたちとの信頼関係を築いていくなかで、部屋の片づけを手伝ったり、音楽に興味がある子どもだったら支援員がギターを持って行って一緒に歌ったりもしています。工作が好きな子どもには、段ボールや絵の具を準備して一緒に工作をして楽しんだりもしています。

 

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