【講演実績】家庭訪問を通して見えてきたこと:アスポート活動事例

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はじめに

平成25年度「生活保護担当ケースワーカー全国研修会」(厚生労働省 社会・援護局保護課主催)にて、講師を務めさせていただきました。その際の講演内容について、記録として掲載いたします。

 

平成24年度の実績

埼玉県全域(さいたま市を除く)のうち、生活保護受給世帯の中学生は2,300人、そのうち半数の1,301人について訪問支援を開始することができました。さらに、その半数の670人の子どもたちが学習教室に参加してくれました。学習教室に通った中学三年生331人のうち、高校進学率は97%となり、一般世帯の進学率の水準まで辿り着くことができました。事業開始前の進学率は86.9%でしたので、10ポイント近くの増加です。

また、子どもたちの学びを支えるボランティアは、埼玉大学、大東文化大学をはじめとする45の大学にご協力いただいています。ボランティア登録者数は学習教室に参加する子どもの数を大きく上回る709人となっています。

このように、学習環境を整え、一人ひとりに寄り添った支援をすることで、子どもたちの飛躍的な成長が手に取るように実感できます。

家庭訪問を通してみえてきたこと

保護者の悩み

保護者の主な悩みは、子育てについてです。最も多い相談内容は、子どもの学力が低いことです。担任には「この学力では高校に進学できない」と言われ悩んでいることが多いようです。クラスメートなどの一般家庭のほとんどが有料の塾に通うなかで、保護者自身は病気をかかえていたり、昼夜仕事に追われたりして、なかなか中学生の子どもの面倒を見ることができません。そのうえ、金銭的な問題で塾に通わせることもできないため、親としての責任を十分に果たせていないことを悔やみ、悩んでいました。

ところが、アスポートに出会うことで、無料で勉強の面倒を見てくれること、自分のペースで勉強ができること、障がいやいじめ、不登校等を問わずどんな子どもでも受け入れていることを知り、「アスポートに出会えてよかったです」と涙ながらに感謝の言葉をいただいています。

対象世帯のほとんどがひとり親世帯です。保護者がいかに孤独で苦しみ悩んでいたのか、時折胸の痛みを感じながらも、じっくりとお話をうかがうように心がけています。

子どもの悩み

子どもの主な悩みは、勉強についての悩みです。ほとんどの子どもが学校の授業についていけていませんし、学力の低さから高校進学をあきらめている子どももいます。

支援対象の子どもたちの学力は低く、半数以上が小学校3〜4年程度の学力で留まっています。

中学生なのに、九九ができない、分数がわからない、ひらがなやカタカナがきちんと書けないなど、勉強に対する大きな劣等感をかかえています。また、不登校(年間30日以上学校を休んでいる)や引きこもりの状態が続いている子どもは6人に1人の割合です。

そんな子どもたちも、本当は勉強がしたくて仕方がないのです。しかし、勉強をみてくれる大人がいなかったり、一人でかかえている大人がいなかったり、一人でかかえている大きな悩みを誰に相談したらよいかわからなかったりと、ふさぎ込んでしまっているのです。

子どもたちの多くは、大人への信頼感をもてず、心を閉ざしています。家庭訪問で会っても背中が丸まって、顔色も悪く何かにおびえたような、自身がなさそうな表情をしている子どももいます。でも支援員が、やさしく、粘り強く、あきらめず、寄り添うことで、少しずつ心を開いてくれるようになります。

「学校には行けないけど、学習教室には毎回頑張って通ってみようかな」と、不登校でありながらも休まずに通う子どももいます。進学に2時間以上かける子どももいました。でも休まずに通うことが、自己肯定感の低い子どもたちにとっての自身へとつながっていくのです。

 

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